俳句・詩歌 (定本 漱石全集)オンラインブックダウンロード

俳句・詩歌 (定本 漱石全集)

によって 夏目 金之助


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俳句・詩歌 (定本 漱石全集)オンラインブックダウンロード - 内容紹介 正岡子規との交流のなかで、俳句をはじめた漱石。松山からも熊本からも、子規にあてて俳句を送り添削を求めた。送った句稿は三十五回を数える。その他に手帳に書き付けたものなど2500句余りの「俳句」、さらに「連句」「俳体詩」「短歌」「新体詩」を収める。今回「秋にやせて薄の原になく鶉」など新たに二十数句を収録。 内容(「BOOK」データベースより) 正岡子規との交流のなかで、俳句をはじめた漱石。俳句のほか、連句、俳体詩、短歌、新体詩を収める。「秋にやせて薄の原になく鶉」など、新たに二十五句を収録。

俳句・詩歌 (定本 漱石全集)の詳細

本のタイトル : 俳句・詩歌 (定本 漱石全集)
作者 : 夏目 金之助
ISBN-10 : 4000928376
発売日 : 2019/1/30
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 26.87 (現在のサーバー速度は25.52 Mbpsです
以下は 俳句・詩歌 (定本 漱石全集) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
漱石といえばやはり小説、ということになるが、小説以前に詩歌に情熱を燃やした人でもある。本巻には俳句を中心に連句、俳体詩、短歌、新体詩が収録してあるが、圧倒的に多いのは俳句で、なんと生涯に亘って2560句を創作したようである。その記念すべき第1作は、明治22年に子規を激励した「帰ろふと泣かずに笑へ時鳥」であるが、その後明治28年に、松山の漱石の下宿「愚陀仏庵」における子規主宰の句会が漱石の俳句熱に火を点じ、漱石はロンドン留学の前年の明治32年まで延べ35回も子規に句稿を送って、その指導と添削を受けている。それらの句を、宗匠役の子規がどのように評価・採点し、どのように修正したかを辿ることは本書の楽しみの一つで、読み進むうちに、子規の評価軸や美意識、好き嫌いがなんとなく分かってきて面白い。なかには「なんでこれを採らないのか、なんで悪口をいうのか」と、漱石に気の毒になる採点もあるが、師範の子規は絶対の自信を持っており、その子規の指導に素直に従う漱石の生真面目、真剣、素直さにいたく胸を衝かれるのである。しかしながらそれら膨大な句作の大半は、「何事ぞ手向し花に狂ふ蝶」「菫程な小さき人に生まれたし」「仏性は白き桔梗にこそあらめ」「秋風の一人をふくや海の上」「有る程の菊抛げ入れよ棺の中」「秋風の聞こえぬ土に埋めてやりぬ」などの秀句を除くと、おおかたピレバト的な習作の域にとどまりるのが残念。ちなみに彼の最後の句とおぼしき作品は、彼の没年である大正5年の「瓢箪は鳴るか鳴らぬか秋の風」である。我々が俳句に嗜むのはそれなりの辞世の句を遺すためであるが、この軽やかな句を漱石の辞世と考えれば、子規の壮絶な3句「いと「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」「痰一斗糸瓜の水も間にあはず」「をとゝひのへちまの水も取らざりき」との違いが歴然と浮かび上がるのではないだろうか。なお漱石の短歌は「高麗百済新羅の国を我行けば我行く方に秋の白雲」とか「あるは鬼、あるは仏となる身なり浮世の風の変るたんびに」などわずかに10首を数えるのみで、この文豪にしてこの短歌かと思えば、その隙だらけの下手くそさがいっそ好ましい。

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