レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉
によって トーマス フリードマン
4.3 5つ星のうち(18人の読者)
レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉 epubダウンロード - メディア掲載レビューほか 国際化を叫ぶ 米国エリートに 異議あり 傲慢きわまりない書物である。「ニューヨーク・タイムズ」のトップコラムニストが、世界を席巻するグローバリゼーションと地域の伝統文化との対立を分析し、解決のための処方箋までを提示したとの触れ込みだが、本書の内容をそのまま受け入れることのできる日本人がいるとすれば、よほど恵まれた立場にいるか、でなければ軽薄なアメリカかぶれのどちらかだろう。 何しろ著者は、こんなことを平気で書くのである。〈今や世界の指導者たちはみな、知事のような考え方をしなければならない。(中略)このグローバル時代の傑出した政治指導者が、知事の中の知事であるアメリカ合衆国の統治者、ウィリアム・ジェファーソン・クリントンなのだ〉。 マクドナルドがチェーンを展開している国同士は戦争をしないという。それだけの経済力を持てるようになれば、むしろハンバーガーを求めて行列に並ぶ方を選ぶのだという指摘は、確かに一面の真実ではあるかもしれない。が、人間とはそれだけの存在ではないはずなのだ。 伝統文化の重要性を、もちろん著者は忘れていない。市場競争に勝ち残ったからといって、どこに行っても、レストランと言えば「タコベル」しか選択の余地がないような世界はご免だと言い、一流選手が揃っているのにマイケル・ジョーダンがすべてを獲ってしまう(Winner Take All)米プロバスケットボール(NBA)のシカゴ・ブルズこそ現代世界の縮図と嘆きもする。 が、それらはあくまでも"王様の優しさ"、あるいは異国情緒を楽しむ観光客の目線でしかない。 本書によれば、未来の世界は何もかもアメリカの価値観に覆われることになる。中産階級がいくら抵抗したところで、富のほとんどを支配する上層と、そのおこぼれにあずかろうとする下層の利害は一致しているとでも言いたげな差別意識丸出しの記述には、正直言って腹が立った。市場はあくまで方便であって、普遍の真理などではないのに。 〈世界を旅して、費用は請求したい放題、ノルマは週一回のコラム執筆〉。著者のそんな境遇から起こした本書の書評が最近の「朝日新聞」に掲載されていて、妙な書き方をすると思っていたのだ。実際に読んでみて、評者の気持ちがよくわかった。 だがそれでも、いやそれだからこそ、日本のビジネスマンは本書を読んでおく必要がある。これが、アメリカだ。本書の結論から、ほんの少し外れたところに、きっと真実があるに違いない。 (ジャーナリスト 斎藤 貴男)(日経ビジネス2000/3/20号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.) -- 日経ビジネス 内容(「BOOK」データベースより) 冷戦後、世界のルールは激変した。技術、情報、金融の壁が消え、あらゆるものが国境を越えて広がっていき、地球規模で結びつく「グローバル化」の時代がやってきたのだ。無名の青年が一夜にして富を築く一方で、国も業種も超えた合併が巨大企業を生み出し、世界の株価は短時日のうちにとんでもない乱高下を見せる。混沌にも似たこの新しい世界のルールとは何か。何が新たな勝者を生み、何が日本の景気を抑えつけているのか。著者はこの問いに二つの鍵で答える。レクサス(トヨタの高級車)とオリーブの木(土地・文化・民族の象徴)である。国籍を超えた最新技術の集結と、古来の伝統的価値への固執。この二つの要素を軸に、現在の世界を鮮やかに読み解いたのが本書である。 商品の説明をすべて表示する
レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉の詳細
本のタイトル : レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉
作者 : トーマス フリードマン
ISBN-10 : 4794209460
発売日 : 2000/2/1
カテゴリ : 本
ファイル名 : レクサスとオリーブの木-グローバリゼーションの正体-上.pdf
ファイルサイズ : 20.92 (現在のサーバー速度は22.58 Mbpsです
以下は、レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈上〉に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
日本では海外高級車におされて日本でだけは人気のないレクサス。それをタイトルにもってくるところはおもしろい。やはり故障だらけでも欧米の高級車がいいという日本人にはやはり海外への憧憬がある分、レクサスをこういう形でもってこられると世界の賛意を否定したくはなるものだ。グローバリズムをマニ教的善悪二元論で考えることの愚かさを教えてくれる。仕事と創意工夫についても考えさせられるところが多い。だが日本のようにリベラルな人であってもコネによる仕事がベストと考える風土だと本書は受け入れられないか。世界は個性的であるべきだが、日本的土着性「だけ」は駄目という人にオススメ。無論本書への批判は存在する。斎藤貴男氏のように市場社会から離脱し、物々交換や原始共産制という形もありうる。実際イスラームのテロリストの勉学はグローバリズムの賜物であるし。孤立化への道を選ぶのならやはり日本への海外からの輸出を規制し、鎖国経済を復活させるしか道はないだろう。ただ本書への批判が「ネット」で掲載されているのを見ると不思議だ(友人に頼んだのだろうか)といってもインドも中国もグローバルな道を選んだ。あとは、あえて全世界で唯一の道を選ぶ覚悟が日本人にあるかどうかであろう。
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